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北海道・斜里町から全国へ!図書館職員が中高生の悩みに答えた“ゆるくて深い”人生相談本が話題沸騰中

はじめに|なぜ“斜里町の掲示板”が全国で話題に?

北海道の小さな町から、じんわりと全国へ——。ひとつの掲示板をきっかけに生まれた“ゆるくて本気の”人生相談が、いま本になって話題を呼んでいます。

「誰にも言えない悩み」「ちょっとした疑問」「なんとなくモヤモヤする気持ち」——そんな中高生の声に、図書館の職員が真摯に、そして時にユーモアを交えて応える取り組みが注目を集めています。

YAコミュ板とは?中高生限定の“人生質問掲示板”

北海道・オホーツク海に面した斜里町立図書館では、2023年から「YA(ヤングアダルト)コミュ板」という掲示板が設置されました。 これは、中学生・高校生に限定して「匿名で質問や悩みを書いて投函できる」仕組み。職員が一つひとつ丁寧に回答を貼り出すという、いわば“紙の匿名相談室”です。

「人生とは何ですか?」「彼氏と遠距離になります。どうすればいい?」「親にお小遣いをねだるには?」といったリアルな質問に対し、

  • 「人生とはリアクションの連続です」
  • 「一番魅力的なのは“素直な人”です」
  • 「何に使うか説明できなければ、お金はもらえませんよ」

など、ユーモラスながら深くて思わずうなずいてしまう“答え”が返ってきます。

中高生はどんな悩みを抱えている?投稿から見える“思春期のリアル”

YAコミュ板に寄せられる質問には、進路の不安、恋愛、家族との関係、友人トラブル、将来の夢など、多岐にわたるテーマが並びます。

「SNSでは誰かに見られそうで怖いけど、掲示板なら安心して書ける」 「思ったより本気で返事がくるから、嬉しい」

など、中高生たちの“ちょうどよい距離感”へのニーズにフィットしていることがうかがえます。

どんな答えが返ってくるの?心をほぐす図書館職員の返信

たとえば、次のような質問と回答があります。

Q:「将来って、いつのことですか?」

A:

実は大人になると「将来なりたいもの」を聞かれることって減ります。 でも、おじいちゃんやお母さんにも“将来”はあるはず。 いつまでに決めなければならないなんてルールはありません。 変化する「将来」を楽しんでください。

Q:「人生とは何ですか?」

A:

人生とは、リアクションかもしれません。 日々起こる出来事にどう反応するかで、次の展開が変わります。 みんな、ちょっとしたリアクション芸人です。

Q:「さんすう」

A:

【さ】すがに高校生へ今さらこ 【ん】なことを言うのも何だか 【す】ごく微妙ですが、学校で習 【う】教科は“数学”になりますよ。 (→縦に読むと“さんすう”になる仕掛け)

回答づくりの裏側|図書館職員のやさしさと工夫

実はこの回答、ひとりの職員がすべてを担当しているわけではありません。 数人の職員が内容を共有し合い、ユーモアや伝え方の工夫を重ねながら丁寧に仕上げています。

イラストを添えることもあれば、言葉選びに30分以上かかることもあるそうです。 そんな“本気のやさしさ”が、掲示板を見に来る中高生たちの心に自然と伝わっているのです。

掲示板から書籍へ|『図書館のゆるゆる人生質問箱』ができるまで

掲示板に寄せられた600件以上のやりとりの中から厳選された内容が、2025年3月に書籍化。 それが『図書館のゆるゆる人生質問箱』です。

北海道斜里町にある町唯一の書店でも発売直後から話題となり、10日間で70冊が売れるなど地元でも驚きの反響を呼びました。

図書館の利用者が6000人増!地域にもたらした変化

YAコミュ板の設置をきっかけに、斜里町立図書館の来館者数は前年比で6,000人以上増加しました。

中高生の利用が増えただけでなく、大人たちも掲示板のやりとりを見に立ち寄るように。 町全体に「図書館が楽しい場所」「行ってみたくなる場所」という認識が広がっています。

SNSでの反響|「泣いた」「励まされた」の声も

書籍化された『図書館のゆるゆる人生質問箱』には、SNS上でも以下のような反響が寄せられています。

  • 「読みながら泣いた。昔の自分にも読ませてあげたかった」
  • 「おもしろいのに泣ける。何回でも読み返したい」
  • 「うちの子にも読ませたい!」

感想をシェアする人も多く、自然な口コミで共感が広がっています。

館長の思い|図書館を“考えるきっかけの場”に

斜里町立図書館・松井卓哉館長は、YAコミュ板の意義をこう語ります。

「答えは一つじゃない。図書館の職員の答えが正解とは限らない。でもその中から、自分の中の“本当の答え”を見つけるヒントにしてほしい」

図書館が“本を借りる場所”から、“誰かに気持ちを預ける場所”へと変化していることを象徴するような取り組みです。

図書館は“本を借りる場所”から“気持ちを預ける場所”へ

YAコミュ板の成功事例は、他地域の図書館にも波及し始めています。

図書館は静かで堅い場所というイメージを超えて、「自由に思いを出せる場所」「誰かと間接的につながれる場所」として生まれ変わろうとしています。

これからの図書館が、もっと地域に開かれたコミュニティになるヒントがここにあります。

こんな人におすすめ|この本が心に届くタイミングとは?

悩みを抱える中高生に

言葉にできない気持ちを受け止めてくれるようなやさしさが詰まった一冊。

子育て中の保護者や教育関係者に

思春期の子どもたちの“今”を知るためのヒントに。

心がちょっと疲れている大人に

クスッと笑えて、でもじんわり沁みる——そんな言葉が並んでいます。

書籍情報|図書館のゆるゆる人生質問箱(基本データ)

項目 内容
書名 図書館のゆるゆる人生質問箱 – 中高生の悩み、質問、雑談に、図書館職員がお応えします!
著者 北海道 斜里町立図書館
出版社 ワニブックス
発売日 2025年3月12日
価格 1,430円(税込)
ISBN 978-4-8470-7537-7
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まとめ|答えがなくても、誰かとつながるだけで救われる

正解のない問いに、正解のない言葉を返す。 それでも、そこに本気のやさしさがあれば、人は安心できるものです。

「図書館って、こういう場所でいいんだ」——そう思わせてくれる、心に残る取り組みでした。